『大学の話をしましょうか: 最高学府のデバイスとポテンシャル 』を読了。
『すべてがFになる』の森博嗣先生が、国立大学での勤務経験を元にインタビューに答えていく本。
タイトルと内容紹介文からは「異色の経歴を持つ作家が独自の”大学論”を語る!」みたいな雰囲気がありますが、「聞かれたから答えるけど…」という控えめのスタンスで進みます。
理系大学教授の実態や大学という組織の歪さの話も興味深いんですが、本書の見どころはナナミンの黒線バリに炸裂する“森博嗣節”にありまして、
・大人が子どもの無知さや愚かさを愛おしく思うのは歪んでいるので、自分の子供には敬語を使うよう教育している。
・小説を書き始めたのは、本が好きだからでも作家を夢見ていた訳でもなく、研究者の代わりになる職業として「これならできそう」と思ったから。
・小説で大学教授の給料の20倍稼いだが、大学が居心地良かったので9年間仕事を続けた。
などなど、”元祖成田教授”的な天才エピソードが面白かったです。(そもそも20年くらい前の本なのでそこくらいしか読める部分がなかったのもありますが)
森博嗣先生のコアなファンや博士課程までいくような学問にどっぷり浸かっている人には刺さるかも。
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