難しいけど通読することに意味がある(らしい)『暇と退屈の倫理学』の感想

感想

暇と退屈の倫理学』を読了。

東大の先生が”暇と退屈”について哲学的に分析していく本。
友人の勧めで読んでみました。

・”暇”は客観的に「時間がある」状態
・”退屈”は主観的な感覚

という前提から、「遊動生活から定住生活への変化」を絡めて人類史の視点から分析していくパートは興味深く読むことができましたが、それ以降は哲学的議論のテンションについていけず、「哲学者がたくさん出てきて混乱するし、昔の外国の話されてもピンとこんなぁ」と置いてけぼりを喰らってしまいました。

単に私が世界史に疎すぎて時代感がつかめなかったのもありますが、本書の議論よりも『YOUR TIME』の
・退屈は脳の「深い情報処理をしていない時間」を元に”過去を見積もった”ことで生じる感覚である
という時間感覚を用いた説明のほうが腹落ちするんですよね。

また、本書の結論である
・「楽しむこと」と「考えること」が大事! (超絶意訳)
というのも言いたいことは分かるんですが、基本的には原因治療についての話なので「じゃあ、何から手を付ければいいの?」ってところがあると嬉しいなぁと思いました。それも自分で考えろってことなのかも知れませんが。


この点、『YOUR TIME』は対処療法も原因療法も提示してくれているので、非常に使いやすくてありがたい限りですね。

“考えること”の重要性に関しては、David Foster Wallaceの有名な卒業スピーチ”This is water.“が本書の結論と大体同じことを言っている気がしました。

うーん、哲学むずい。

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