『宇宙飛行士 野口聡一の全仕事術 「究極のテレワーク」と困難を突破するコミュニケーション力』を読了。
宇宙ステーションという閉鎖空間に通算344日も滞在した”究極のリモートワーカー”野口宇宙飛行士が、「物理的な距離のあるなし関係なく、人と人とのつながりをいかに円満に保つか」を教えてくれる本。
本書はざっくり「ビジネス書&自己啓発パート」と「宇宙飛行士の独白パート」に分かれています。
「ビジネス書&自己啓発パート」では、
– 距離が離れた相手に意図を正確に”伝える”にはどうしたらいいの?
– 現代のビジネス現場では「ホウレンソウ(報・連・相)」よりも「指示」「承認」「責任」が大事!
– 人間関係は”縮める”距離と”保つ”距離に気をつけよう!
– 職場で寝泊まりしてる宇宙飛行士たちは、こうやってワークライフバランスを取ってるよ!
– 対立の前兆”We-They Syndrome”とは?
– 完璧主義者は宇宙には行けない。”切り替え力”を鍛えるためには?
みたいな誰でもタメになる知見を、実際の宇宙滞在で起こった事例を元に説明してくれていて、非常にありがたかったです。
「宇宙飛行士の独白パート」は、自身が地上に帰還した後”燃え尽き症候群”に苦しめられた経験から「宇宙飛行が人類にどのような精神的インパクトをもたらすのか」の当事者研究を始めた話や、”戦力外通告”をされたオリンピック選手の話など、「全人類の中でも圧倒的に優秀な人たちが抱える困難」がありありと語られていて衝撃的でした。
全体を通して提示される「どんな人間もつながりがなければ生きていけない」というメッセージは一見するとありきたりに思えますが、文字通り人類を俯瞰したことがある宇宙飛行士の言葉になると重みが全然違いますね。
特に“Empathy not sympathy(同情ではなく共感が大事)”の精神はとても大切だと感じたので、自己と他者の境界線が薄くなるくらい深い人生経験を積んでいきたいなと思いました。
独白パートを深堀りした本も出しているそうなので、そちらも読んでみようかなー
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