もともとは高専卒業後に工学系の大学に編入するつもりが、数学がムリすぎてカナダに逃げた私。
今度は経済学部に編入することになったので、同じ轍を踏まないように『経済数学入門の入門』を読んでみました。
どんな本か
『経済数学入門の入門』は、
- せっかく経済学に興味を持ってくれたのに、数学で挫折してほしくない!
- 経済学を知らない人に向けて、経済数学を学ぶと見えてくる景色を先見せするよ!
というコンセプトのもと執筆された本。
”経済数学”は
「経済学に用いられる数字を教える科目」
田中久稔. (2018). 経済数学入門の入門. 岩波新書.
を指す教育用語です。
本書冒頭で、
(中略)経済学に入学してきた新一年生が、何に使うのかわからないまま勉強させられているうちに、数学はもちろん、経済学まで嫌いになっていく様子も頻繁に見受けられます。
田中久稔. (2018). 経済数学入門の入門. 岩波新書.
という説明でもあるとおり、「学問としては面白そうなのに数学でつまずいて離れてしまう」というのは理系科目あるあるですよね。
私も同じ理由で工学を諦めてしまった人間なので、めっちゃ気持ち分かるなぁ…
内容
内容はというと、
- 経済学科の新入生レベルから大学院の修士レベルの経済数学
を高校2年生程度の数学知識を持った読者に向けて書かれています。
私のような「高校の数学も怪しいんだが…」という人がいても大丈夫です。
『経済数学入門の入門』では数式よりは直感的な説明が多め(数式が理解できないと言ってる意味もよく分からない部分もありますが)です。
こういった本はなんとなく数学に対する恐怖心を少なく出来れば勝ちなので、「へー 学者さんたちは数字をつかってすごいことしてるんだなー」くらいの理解度でOKだと思います。
特に後半部分は大学院レベルなので素人が分からなくて当然。
嫌になったら読み飛ばして、巻末の「読書案内」に進みましょう。
読書案内では、読者のレベルに合わせて、これから経済数学を学びたい人向けに本が紹介されていて非常に参考になります。
次は『[改訂版]経済学で出る数学 高校数学からきちんと攻める』『経済学で出る数学 ワークブックでじっくり攻める』あたりに取り組んでみようかな。
感想
残念ながら、この本を読んで「経済数学を勉強したい!」という気持ちにはなりませんでしたが、「やっぱり数学は避けて通れなそうだし、経済学で大事な部分だけは頑張るかぁ…」というある種の諦めが逆にモチベーションになりました。
この本はあくまでも「”経済数学”入門の入門」なので、「経済学ってこんなかんじなんだー」とはならないし、経済学に関心がない人でも楽しめる!というわけではありません。
ですが、私のように”経済学に興味があるが数学苦手な人”がには恩恵はあると思う(私にはあった)ので、経済学部に入る前に読めて良かったです。
経済学や理系科目に限らず、本書のような「挫折しないようにハードルを限界まで下げて挑む」というアプローチは、運動でも料理でも恋愛でもなんでも大切だと思うので、もっといろんな「入門の入門書」を読んでいきたいなー
コメント