発明は理論に先立つ。『失敗の科学』の感想

感想

失敗の科学』を読了。

卓球の元オリンピック選手という面白い経歴を持つ著者が「失敗から学ぶにはどうしたらいいの?」というのを大量の事例と共に説明する本。

本書のポイントを挙げるとするならば、
・「失敗=学習機会」という考え方
→失敗は「してもいい」ではなく「欠かせない」
 「失敗型」のボトムアップアプローチをとれ!

・心理的安全性がなければ失敗から学ぶことは出来ない
→適切なフィードバック・ループが働く環境はマスト

・科学者マインドセット
→問題を解決するためには、仮説を立て検証し続けるしかない。
 成功も失敗も単なるデータポイントでしかない。

みたいな感じ。

あくまでマインドセットの話がメインで、実際の現場で使われているツールの紹介は最小限なので、「RCTやリーン・スタートアップをどうやって使えばいいの?」という疑問に答えてくれていないのが残念ですが、失敗することよりも失敗しないことのほうが怖い!というのをガツンと提示してくれていてありがたかったです。

また著者は、
アドラー心理学や占いみたいな何にでも当てはまるものは、何からも学べてない(失敗がない)から進歩がないんや!
とも主張しており、「なるほどなー」と思いました。

私が都市伝説や占いなどにあまり惹かれないのは、「失敗から学ぶ」ことが前提の科学に対して、スピリチュアルや疑似科学は「世界を単純化しすぎていて、本質的に失敗がない=進歩がない分野だから」というのは確かにあるかもしれません。

生まれてこの方、私の課題は「圧倒的実践知不足」なので、今度は「失敗型」のアプローチ(フェイル・ファスト、リーン・スタートアップなど)の運用法についてもう少し調べてみようと思います。(理屈はいいから早よ動け)

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