『新版 宇宙に命はあるのか 生命の起源と未来を求める旅 』を読了。
NASAの火星探査チームメンバーの著者が、「科学を発展させ、人類を宇宙に向かわせてきた”〇〇の力”」について、宇宙探査の歴史、未来の展望と絡めてエモ文章で書き上げた本。
本書で触れられているトピックはどれも興味深く、「金の切れ目が技術の切れ目」という現実と向き合いながら宇宙開発を進める研究者の悲喜こもごもから、「我々はどこから来たのか?」という哲学的な問い、「宇宙に命はあるのか」という問いに対しての科学的なスタンス(“Life is the hypothesis of last resort(生命は最終手段の仮説)”)など、誰が読んでも”宇宙熱”が高まる内容になっていて最高でした。
特に印象深かったのは、「土星から見た地球は、”Pale Blue Dot(淡く青い点)”でしかない。」という話。
小野雅裕 . (2024). 新版 宇宙に命はあるのか 生命の起源と未来を求める旅 (SB新書 655).
“天文学は我々を謙虚にさせ、自らが何者かを教えてくれる経験である。おそらく、このはるか彼方から撮られた小さな地球の写真ほど、人間の自惚れ、愚かさを端的に表すものはないだろう。それはまた、人類がお互いに優しくし、この淡く青い点、我々にとって唯一の故郷を守り愛する責任を強調するものだと私は思う。” (カール・セーガン『Pale Blue Dot』より、筆者訳)
『三体』もそうでしたが、こういう”諸行無常感”と”地球への帰属意識”を感じさせてくれるような、宇宙の壮大なスケールに触れるのは大好きなので、これから天文学を学んでいく中で折に触れて読み返していこうと思います。
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