『ハーモニー』を読了。
人類が病を克服した高度医療社会で自殺を図る3人の少女の物語。日本SF大賞受賞作。
プログラミングコードとともに記述されるストーリーは”誰”の物語なのか。これを読んでいるのは”誰”なのか。意味の分からなかったコード形式の文体の伏線回収が見事過ぎて、久々に鳥肌が立ちました。
「世界的な戦争と未知のウイルスの蔓延を経て、人類が『健康と幸福』を手に入れた世界」という設定は、ここ数年の世界情勢と重なる部分も多く、我々が歩んでいく未来を考えるうえで大事な視点を教えてくれているような気がします。
SF小説として単体でみても最高に面白いんですが、本書の中で語られる脳科学における”機能としての自己”の考え方を知っておくだけでも何かと人生にとって有益だと思うので、『無 最高の状態』の副読本としてもおすすめ。
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