『地に足をつけて生きろ! 加速文化の重圧に対抗する7つの方法』を読了。
スウェーデンの心理学者が「自己啓発書ばっか読んでると人生詰むぞ! ストア派の哲学を見習え!」と喝破している本。
タイトルにある「加速文化」というのは、
・プライベートでも仕事でも内面的な成長が必要
・成功も失敗もすべて自己責任
・常に自分らしくいなければいけない
・過去よりも未来志向
みたいな「安定よりも機動性を重視」した考え方のこと。
世の自己啓発書やyoutubeのビジネス系動画は、この加速文化を啓蒙しているものがほとんどですね。
本書は「立ち止まることを良しとせず、職場で『私は成長する必要などありません』と拒絶するだけで社会体制への抵抗になってしまう世界の異様さ」を改めて説明したうえで、変化や適応に踊らされる人生から脱却するための処方箋を出してくれていて、とても参考になりました。
個人的に刺さったポイントは、
・自分らしくいることに本質的な価値はない! 自己分析をやめろ!
→「本物のテロリストであるよりも、偽物のマザー・テレサであるほうが疑いなく優れている。」
・感情を押し殺して倫理的な行動を取れ!
→「仮面をつけるのは礼節の本質だ」
・自己実現とか未来の話ばっかしてないで、まず身近な人間関係への責任を果たせ!
→「人間のコミュニティや社会は約束を守るという基本的な能力なしには維持できないのだ」
・小説を読め!
→人は「自分の運命の設計者」などではない。世界の不条理さを学ぶには良質な文学に触れるとよい。
らへんですかね。
私は自己啓発書やビジネス書も用法・用量を守れば、人生における補助輪や十徳ナイフくらいには役立つと思ってますが、そればかり接種していたら平衡感覚が失われてしまうのは間違いないので、たまにこういうカウンターを喰らうことの大事さを思い知らされました。
就活はまさに「加速文化」の権化なので、飲み込まれたり押しつぶされないようにバランス感覚を保ちながら進めていいきたいなぁ…
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