『壁とともに生きる: わたしと「安部公房」』を読了。
『テルマエ・ロマエ』の作者ヤマザキマリさんが安部公房を推す本。
安部公房はずっと気にはなっていたものの 「メタルギアの段ボールを被るシステムは『箱男』のオマージュだ!」 みたいなエアプばっかして、実は作品を一度も読んだことがなかったので、自分を追い込むためにこの本を読んでみました。
現実の理不尽さ書いた安部公房の世界観と、ヤマザキマリさん自身のイタリア留学や海外ボランティアの経験とが重なりあって、作品への深い洞察に繋がっていくところが見どころでした。
医者の道を選ばず、極貧生活の中、栄養失調で餓死しかけても執筆し続けた安部公房に対して、「私もイタリアにいたとき…」みたいに、戦争があった時代の人と同じくらい壮絶なエピソードがばんばん出てくるの凄すぎますね…
正直、日本でぬくぬく育ってきた私が理解できるか自信はないんですが、「社会は不条理との共生だ! 歴史と安部公房からそれを学ぶべし!」と説教されてしまったので、早急の課題にしようと思います。
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