『夏と花火と私の死体』を読了。
乙一先生の処女作であり、6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞の受賞作。
語り手がいきなり殺されたと思ったら、その後何もなかったかのように「死体の視点」として語り手を続行するという奇天烈な構成が印象深い作品。殺された人間が自分を殺した犯人たちを不気味なほど淡白に描写していく「生気のなさ」にゾクゾクきました。
しかし、一番の恐怖ポイントは「当然のものとして幽霊が出てくる」ことでも「田舎×夏×狂気」という和ホラー定番の舞台設定でもなく、この作品が17歳のときに書かれた処女作だという事実。恐ろしいほどの才能っていうのはこういうことを言うんでしょうね。
すぐ読み終わるし、ホラーが苦手は私でも読めたので、割と万人におすすめです。
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